マイクロソフトの蹉跌

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2002/11/13 記
 夢と希望のあふれる前半、シェーマス達のゲリラ戦術から「オペレーション・ミッドウェイ」が、始まる。ソニーに鼻であしらわれ、セガからは良いように扱われ、スクウェアを買収するどころか、手酷い反撃を食らわされる。それでも、突き進んでいく、パワフルなチーム。
 時が流れて、今度は内ゲバ。セットトップボックスチームとシノギの削りあい。それでも、シェーマスのような社員1年生の言い出したプロジェクトが、有望であるなら会長前会議にすら、さほど時間をかけずにこぎ着けるMicrosoftという会社のフットワークの軽さが印象的。
 うってかわって後半は、読んでいる僕が切なくなるくらいダメで、ダメで、ダメだ。なかなか立ち上がらないnVIDIAのグラフィックチップ製造、最後になってやっと本気になったIntelからの横やり、E3での失敗、追撃してくる任天堂、日本、ヨーロッパでのお粗末な結果……。

 彼らが繰り返し言っているように、Xboxプロジェクトは本気で取り組んでいるし、そして勝つまで辞めないだろう。なんせ、損失20億ドルと言われたところで、彼らの持つキャッシュは400億ドル、少なくとも資金不足で彼らが足を止めることは無いように思える。ただ、ハードウェアの構成上、バージョンアップは容易でも、そこから利益を得ることはまず不可能だと思う(利益が出るまで、今の仕様のまま、というのは現実的でない)。そうなると、どれだけ売れるゲームソフトを出していくかがポイントになるのだが……Microsoftが、ソフトウェア業界の巨人であることを考えると、いつかは世界を席巻するかもしれないと思わずにはいられない。
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