わが名はコンラッド

Amazon.co.jp: 本: わが名はコンラッド
2004/06/07 記
 破壊され、見捨てられ、近づく者もいない。まさに黄昏の場所、地球。人類がほとんど見向きしなくなったこの惑星で、しかし神話の世界が蘇っていた!

 まるで神話世界にいるような(放射能汚染による突然変異で生まれた)化け物共が跳梁跋扈する地球を、只一人、それを人類の手に残しておくためだけに命をかけて戦う男、コンラッド。長い間、その為の活動を表に裏にと繰り広げ、その結果、多くの名前と高い地位を手に入れたが、それでも彼の戦いは終わらない。酷く荒廃してしまった地球の上で、しかし最後の、決定的な戦いが始まろうとしていた。

 と言った内容なのだが、別段、派手に戦っているわけでも、ドロドロとした腹の探り合いをしているわけでもない。中心的な人物、コンラッドも、殺し屋ハッサンも、割と気持ちの良い奴らだ。そして、なおかつアホみたいに強い。更にそこに地獄犬ボルタンまで加わって、何がなんだかよくわからない世界を作り出している。正直、このコンラッド、ハッサン、ボルタンが協力して戦う最後の戦いが一番面白く、それ以外は大して楽しめなかった。

 あとがきを読んで、ファンタジー&サイエンス・フィクションである、と初めて気がついたわけだが、その世界描写にあまり引きつけられなかったのが、そんなに楽しめなかった原因だろうか。ギリシャ神話や北欧神話自体は、確かに好きなんだけれどあまり詳しくないからなァ。
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