DOWNSTAIRS - 2004/11

2004
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2004/11/30
 飲んだくれの日。そういう時期ではあるが忘年会ではなく、単にいつものメンバーで飲んだくれているだけだ。とはいっても、今日は隣の席の人がいないので別の人。珍しく全員同級生というメンツで飲むこととなった。つか、元々の予定だと僕が夜間作業を行うはずだったのだが、前日になってその予定が覆り、隣の席の人が夜間作業することになったのだ。だから、隣の席の人が今日いないわけだが……なんてか、予定が丸つぶれだ。日中に時間があるから「雲のむこう、約束の場所」か「コラテラル」でも見に行こうと思っていたのに。どうしても劇場で見たい、という訳でもないので大して気にしてもいないが、急な変更、即対応、なんてのは、あまりに日常すぎて、計画リスクが高すぎる。

 そんなこんなで飲んだくれ。思いの外、同級生が(この職場に)多い、というのは世代的にこの業界を選んだ人が多いのか、或いは、単なる偶然か。とはいえ、今より上の年齢になってくると、だんだん管理業務の割合が増えてきて外に出なくる、と考えると職場で同じ年代の人に会える、上限なのかもしれない。ただ、業界的には短期プロジェクトを少人数で、という流れに向いてきている(らしい)ので、人の流通はもっと多くなるかもしれず、そうなれば横の人脈は大きく広がるわけで、もうちょっと面白いことになる、かもしれない。

 つか、自分より若い世代の人にあう機会がまるでないのは、新しい人を入れる余地も余裕もないからなのか、苛烈な上に将来性もなさそうだ、と敬遠されているからなのか……。
2004/11/29
 今日も新ファイルサーバいじり。ただし、ソフトウェア方面ではなくハードウェア方面。

 使っているマザーボードD865GLCLKのPOWER LEDコネクタは2ピンで、しかしケースのPOWER LEDのコネクタは3ピンのソケット。つまり、そのままでは挿せない状態だ。そして色も緑。だから、せっかくなので(HDD LED共々)青色LEDに交換しよう、と思い立ち、とりあえず分解してみた。日常的、というほどではないにしろ、ケースの分解作業というのも割と良くやる作業で、それなりに手慣れたモンだ。

 が、しかし最後の最後で正面の化粧パネルをはずさないとLEDが取り外せないことが解り、しょうがないので正面パネルをはずそうと、ケースを回してみたのだが……正面パネルを固定しているのは六角穴(2mm角)のネジ。そして手元に六角レンチはない。

 と、ここまでが朝の作業。時間が来たので出社。適当に仕事をこなすと、帰りがけに六角棒レンチと青色LEDを購入して帰宅する。

 食事を取った後、めずらしくTVを見ながら(日頃、録画した番組以外は、WBS位しか見ない)LEDの交換作業を行い、動作確認。きちんと発光している事を確認すると、旧ファイルサーバからのファイル移動作業を再開。昨日もろくに寝ていない(?)こともあって、そのまま寝る。
 つか、PCつけっぱなしで寝るのにも慣れ親しんだというか、元々、多少の騒音は気にせず眠れる質というか。


◆今日の散財
・六角棒レンチ[工具]
・青色LED(3φ)[PCパーツ/LED] x 2
 白色もあり、すこし悩んだが青色x2にした。5φだと紫、なんてのもあり、LEDもなかなか楽しい感じだ。
2004/11/28
 ちょっと書き忘れ。昨日、買い物のために(当然のように)秋葉原に行ったンだが、改札を脱けてゲーマーズの前を通りかかった時、凄まじい人だかりが出来ていて、いったい何なんだ? と思ったら、ちょうど中から担架に乗せられた若い男が、救急隊員達によって運び出されているところだった。ドラクエ発売の熱気にでもやられたのだろうか?


 で、今日の話。

 夜間作業の最中、そのために作ったデータが一部、使えないことが判明した。バックエンドのシステムが変更になっていることを、どうして本番稼働するまで知らされない? 結局、その場でデータの作り直し。2時間半を消費してしまう。


 そんな徹夜仕事を終えて帰宅。出がけまでやっていたセットアップの続き、CPUクーラーと電源の交換作業を再開する。PC二台を分解して、CPUクーラーの交換、取り付け。電源も交換する。途中、ラジオペンチが見つからずに時間を取られたが、作業自体はすんなりと進んだ。

 先に組み立てた録画用PCを起動し、Hardware MoniterでCPUコア温度を表示させながら、新ファイルサーバの組み立て作業。取り外したCPUクーラー固定用具を、再び取り付け、録画用PCで使っていたCPUクーラーを取り付け。せっかくなのでFDDも取り付けてBIOSのアップデート作業を行う。BIOSアップデート終了後、FDDは取り外し。使わない機器、機能は取り外しておく方が個人的には好みだ。

 そこまでやって、いい加減眠くなってきたので、一旦作業を中断。10時間ほど寝る。

 起床後、再び新ファイルサーバのセットアップ作業。5.3-RELEASE の導入を参照しながらFreeBSDをインストール。再起動後、今度はFreeBSD ハンドブックを参照しながら、sysinstall、package->net->sambaを選択、SAMBA を動かしてファイルサーバを参照しながらsmb.confの内容を書き換え、kill -HUP 'cat /var/run/inetd.pid'してから、SWATにアクセスする。

 と、ここまでは割とすんなり来たのだが、SWATの表示が化けている、という現象に見舞われ、どうしたモンかとしばらく悩む。が、答えは単純で、smb.confのcharsetの設定を行っていなかったから起きた現象だった。smb.confの内容を、display charset = EUCJP-MS、unix charset = EUCJP-MS、dos charset = CP932として再びシグナル送信、リロードすると、今度はきちんと表示された。

 文字化け問題が解決したので作業再開、今度はSamba 3.0ではじめるWindowsファイルサーバー入門を参照しつつ設定作業。やがてWindowsマシンからsambaマシンが見えるようになったので、早速、旧ファイルサーバからファイルの移動を始めたのだが、今度は日本語ファイル名のファイルがコピーできない、という現象に見舞われた。
 これまたしばらく悩んだものの、上記の各EUCJP-MSをUTF-8にすることで無事解決。それじゃあ本稼働とするか、とファイルの移動を始めると、それをそのまま置いておいて、食事してから再び寝に入る。この時点で既に朝の5時。矢張り、慣れないことをすると時間がかかるモンだ。今、流行のNASを買ってきた方が、全然手間がかからない。

 とはいえ、久々に環境構築で「楽しい」という気持ちになった。つまづきつつでも、思い通りに動かせたときは、矢張り嬉しく、そして楽しい。あとは、カーネル再構築だが、別に必要な分は動いているし、ボチボチやっていくか。
2004/11/27
 買ってきた電源のファンが思っていた以上に風量が多い、つまり騒音も多い、という結果に失敗したと思うことしきり。その分、エアフローも大きい訳だが、静穏性と冷却能力なら、静穏性の方に傾いていた方が個人的には良い訳で。ケチらないで、14cmFAN搭載電源にしていれば良かった。あちらなら、間違いなく静穏だったのに……値段は倍近く違うが。

 等と思いながらOSのセットアップを行っていたのだが、セットアップ終了後の再起動時にCPUコア温度をチェックしてみると60℃前後まで上がっており、ファンレスCPUクーラーじゃダメかもしれん、と益々ダメ気分に。録画PCと電源、CPUクーラーを入れ替えてみるか。あっちのケースなら電源ファンの真横にCPUクーラーが来るし。

 そう思い立って、早速作業を開始しようとしたのだが、時間が来たのであきらめて家を出る。

 今日は、夜間作業なのだ。

 続きは帰ってからやるかねぇ……。


◆今日の散財
KURAU Phantom Memory DVD VOL.2[DVD]
人工少女2[PCゲーム/18禁]
宵待姫[PCゲーム/18禁]
・ALTIUM S6 Ω[PCパーツ/ケース]
GS-400W12[PCパーツ/電源]

 財布を振り回してもホコリしか出てきません。
2004/11/26
 10日ぶりに飲んだくれ。金曜日ということもあって、いつものメンツ+αな構成だ。つか、毎日のように繰り返された「今日こそ行けます」「スミマセン、仕事入っちゃいました」にもやっと終止符が……いや、今日も言われて、予定より1時間ほど遅くなったんだけどさ。


ゲーム開発者残酷物語[CNET Japan]
 洋の東西問わず、プログラマという職業は、苛烈な職場でひたすら酷使される、という感動的なほど、いつもの現実だ(プログラマだけではないが)。つか、週80時間勤務と聞いて、一日16時間勤務か、珍しくはないな、と思った自分が少し哀しい……いや、5年ほど前は、それが直面していた現実だったんだ。僕にとっての。だから、これほど長時間働いたら正気ではいられないってのは、感覚でわかってしまう内容で、彼らが辞めていくのも良く理解できる事だ。

 一ゲーマーとしては、多くの面白いゲームが次々にリリースされる、というのは嬉しい状態だが、その影でデベロッパ達が、文字通り死ぬほど働いているのは、プログラマとしては許されざる現実だとも思う。虐げられた開発者は仕事を離れたがるし、優秀な人ほど激務だ。つまり、優秀な人ほど業界を離れていってしまう。それはつまり、業界の衰退を示している。それに、激務……いや「デスマーチ(死の行進)」は、仕事を楽しめ、という僕の価値観とも反する。

 だから、バランスがうまくとれれば良いと思うのだけれど、でも、なかなか難しい問題だとも思う。開発費はすさまじく高騰しているのに、価格は高く出来ないからだ。こと日本では市場の将来性すら危ぶまれている。そんな現実に対し、ゲーム消費者として、ゲームファンとして、一体何が出来るのだろうか?


 記事中、IGDAについて触れられていることから、IGDA Japanでも、いち早く言及している。けれど、あまり話題になってなさそうなのは、当たり前すぎる現実だからなのか、はたまた、このコミュニティ自体、あまり活発ではないからなのか。
2004/11/25
 ここ数日、明け方に寝る、という生活が続いているため、このままじゃまずいな~、どうにかしないとな~、と思い立ち0時前後に布団に入ったのだが、目が覚めると午前2時。どうも2時間で目が覚める、というのがパターンのようだ。起きてもしょうがないのでそのまま布団の中でぬくぬくやっていたのだが、どうしても眠れず、しょうがなくあきらめて起き出し、先日買ってきたPCパーツの組み立て等をやる。

 組み立てとは言っても、作業らしい作業はCPUクーラーの取り付け程度。元々マザーボードについている、プラスチック製のCPUクーラー固定用具を取り外し、それが使っていた穴を利用して大きなヒートシンクをねじ止めする位だ。取り外し自体は少し面倒だが、それさえ終われば、後はCPUをソケットにつけて、ヒートシンクをかぶせ、きっちりねじで固定するだけ。簡単なモンだ。後はメモリを挿して、そこで終了。ケース、つか、電源が手元にないのでこれ以上はどうしようもない。

 そこまで作業してしまうと、再び布団に入り、今度は眠りにつけた。そもそもがロングスリーパーにもかかわらずなかなか寝付けない、というのは、矢張り日頃の生活態度に問題を抱えているのだろう。


◆今日の散財
初めてのアジャイル開発[技術書]
・ヨイコノミライ 2巻[マンガ]
 やっぱり、とても、とても、痛い。いや、痛いと言うよりは、辛い、か。拒絶したい現実、そのものだ。
2004/11/24
 いつも一緒に飲んだくれている人から「飲みに行こう」とお誘いがあるのだけれど、ここ最近、決まってその人に急な仕事が入り、行けなくなる。業界的に、急な仕事も、迅速な対応も良くあることで、且つ、労働者の都合はお構いなしだ。金曜日の22時過ぎに仕様変更が入って、〆切は? と聞くと、今週中、と答えが返ってくる、なんてのは笑い話でもあるが、良くある現実だ。

 そして、当然のようにそれらの対応は口頭で伝えられ、記録には残らない。残す仕組みもない。仮に残っていたとしても、ほとんどが紙ベース。集計、分析してプロジェクトの評価資料として使おう、なんて気は全く起こらない。

 そんな風に"まともな評価"が行われないから、改善もされない。議論にすら上がらない。目の前の問題を片づけるのに精一杯で、状況を改善しよう、という意見は出ても、それを実行する者は限りなく少ない。

 結局、現実を俯瞰できていないのだ。どこに、どのような問題を抱えているのか、それがわからない。異常なまでに問題解決能力は高いのに、問題発見能力は、反比例するように低い。それは別の能力だから、と言ってしまえばそれまでだが、だとするなら僕らに必要なのは、問題を発見でき、且つ、問題解決にコストをさく権限を持ったマネージャ、管理者だ、ということになる。

 つまり……いや、矢張り、僕らは"マネジメント"等という地平にはたどり着いていないのだ。
2004/11/23
 二日分更新。


 秋葉原で探し回るのも面倒だ、という理由で某通販ショップで注文をかけていたIntel様のマザーボード「D865GLCLK」が、次回入荷未定、入荷のメドが立っていない、との連絡であえなく入手不可に。僕がIntel様のマーケティング担当者なら、利幅の大きい915の方に工場のキャパシティを使って、過去製品の865なんて必要最低限のみ、その方が高価なCPUも売れる、と考えるだろうな、と思うと、今、手に入れなければマズイかもしれない、と思い立ち、休日と言うこともあって秋葉原に行く。

 前に見て回ったときに、TSUKUMOTWOTOPT-ZONEに置いてないのは確認したので、今回はFaithから回ってみることに。すると運良く、棚に一つだけ置いていた。当然のように即購入。
 こうなると、もうそろえなければイカン、と物欲に火がつき、さらにCPU、ファンレスCPUクーラー、HDD、メモリ、と一気に買いそろえ。こうして一台分買いそろえるのは半年ぶりだ。

 で、残るはケースだけ、となったのだが、既に大荷物状態。これに更に、ケースを探してあれこれ見て回って選んで持って帰るのか? と考えた瞬間、なんだか萎えてしまい、とっとと帰宅する。ケースは週末、改めて探すか。


◆今日の散財
D865GLCLK[PCパーツ/マザーボード]
 前にも書いたけれど、GbE。それが全て。

Celeron 2GHz[PCパーツ/CPU]
 今年二個目。買いすぎ。

CyprumZERO[PCパーツ/CPUクーラー]
 ファンレス=無音&故障ナシ。すばらしい。問題はエアフローをどう確保するかだが、12cmFANな電源でも使うか?

・WD Caviar WD2500JB[PCパーツ/HDD]
 80GBプラッタx3、8MBキャッシュ。これでHGSTMaxtorSeagateWesternDigitalとそろったわけだが、性能面ではHGSTが一歩抜きんでている感じがする。まだWD2500JBをちゃんと使っていないのでどうなるかは解らないが、こいつだけ8MBキャッシュだし、比較するのもなぁ。

・DDR DIMM 512MB[PCパーツ/メモリ] x 2
 D865GLCLK用ではなく、メインPC用。HL2のビデオ設定でテクスチャの高に推奨マークがついたのをみて満足。
2004/11/22
 急に会議に呼ばれて、「作業担当者は君だと聞いています」と言われるのは、とても新鮮で驚きに満ちた経験だ。それが、全く、微塵も聞いていない話なら、ことさらに。


◆今日の映画
・MISSION:IMPOSSIBLE
 言わずと知れたトム・クルーズ主演のスパイ大作戦。おなじみの「おはようフェルプス君」~「なお、このテープは自動的に消滅する。健闘を祈る」から始まる冒頭部は、スパイ大作戦を見たことのある人にはおなじみの演出だ。

 しかし、その内容はスパイ的ガジェットを駆使した痛快娯楽アクション、ではなく、我らがトム様が、その肉体を駆使してひたすらに活躍する、というファンにはたまらない内容。話自体も(説明不足の感もあるが)簡単で、ひねりのきいた仕掛けは無い。本当に、延々トム・クルーズの演技を見続けることが出来るのだ。

 そんな風に、訴えかける物は何一つありはしないが、トム・クルーズの魅力と、娯楽性の高さから、飽きずに最後まで見ることが出来た。いや、トム・クルーズがどうでもいい人にはつまらないだろうな、とは思うが。ジャン・レノ? 出番らしい出番もなかったんだけど……?
2004/11/21
 三日分更新。

◆今日のHalf-Life
 HL2クリア。(ネタばれ反転)
 兎も角、その世界に触れることが面白い。
 ・操作の難しいホバー機に乗って水上を高速に移動したり、
 ・発狂した(様な)神父がシンボル的な、まるで質の悪いホラー映画みたいなゾンビまみれの町で教会を目指したり、
 ・バギーで、あの恐ろしいアントライオン達が群生する海沿いの道をかっ飛ばしたり、
 ・かと思えば、ヤツら、アントライオン達を手なずけて、敵を襲わせたり、盾にしたり、おとりにしたり、
 ・レジスタンス達と、町中で共闘したり、

 等々、手を変え、品を変え、次々に繰り出される難関や状況を、NPC達の表情豊かな動きやしゃべりで説明されつつ、一言もしゃべることのない主人公、ゴードン・フリーマンを操って突破していく。英雄フリーマン。世界最強の物理学者。愛用のバールは、いざというときには必ず役に立つ、手放せない一品だ。そして、RPG。赤外線誘導ミサイル。こいつでガンシップとやり合うのは、かなり楽しい。

 そして、物語の終盤、捕らえられたフリーマンはテレポートしていく敵ボスを逃さないために彼の乗った装置を破壊、テレポートを阻止する。そして、ヒロインが喜ぶのもつかの間、その装置が爆発を起こし……その瞬間、時が止まる。何もかもが固まった世界に、再び、彼、G-MANが空間から陽炎のように登場する。普通に動けるG-MANと、ゆっくりとしか動けないフリーマン。そして止まってしまった世界。G-MANは次の任務を臭わせ、けれど去っていく。空間に突如開いた、扉のようなものの向こう側に……。

 つか、なんなんだ? あの終わり方は。まるで打ち切りのような終わり方だ。スタッフ達は『ストーリーは割とどうでも良い(他の事の方が重要)』、と考えているのか、或いは、すぐにHL3が控えているからなのか。まぁ、『世界をPC上に再現すること』と、『その技術を如何に見せるか』に、偏執狂なまでに注力しているのだろうが……。

 とはいえ、今回も最後に出てきたG-MANには、確かにシビれるものがある。格好良すぎだ。一体、G-MAMの所属する組織とは何なのか? 彼が駆使する数々の超常的な力は、一体、何なのか? 彼の正体は? その目的は? 謎は深まる一方だ。


◆今日の散財
MADLAX DVD Vol.5[DVD]
2004/11/20
◆今日のHalf-Life
 HL:Sourceクリア。(ネタばれ反転)
 序盤はXenからやってきたモンスター達との戦い、その後、今度は兵士達との戦いになり、やがてモンスターと兵士との混戦を経て、Xenにまでたどり着いたフリーマン博士は、巨大な赤ん坊のようなモンスター(ラスボス)と対決する事になるのだが……。

 言葉がわからない、というのもあるが、本当にストーリーなんてとってつけたような、システムの完成度に対して、おざなりな存在だ。シチュエーションだけとってみれば格好いい所や、見所も結構あるのだが、いかんせん、謎解きのような、物語上の面白さは皆無だ。5年前のもの、ということを考えれば、まぁ、そんなモンかとも思うのだが、スプリンターセルの様なストーリー性が(比較的)強い物もある訳で……洋ゲーらしいといえばらしいが。

 そんなのだから、まさかエンディングが二種類もあるとは思いもよらず、しかもそのシチュエーションが、G-MANの誘う"組織"に入るか、それを断って、最後にして最悪の場所に転送されるか、という、悪夢のような二択だったりするあたり、実にそれらしい。つか、その終わり方に、僕はMAFIAのエンディングを思い出した。こういった、悲劇的な終わり方ってのは、かなり良い。
2004/11/19
 適当に仕事を片づけて帰宅、HLを使って、ブラックメサ研究所に入り浸る。フリーマン博士、あなたはどうしてそんなに無口なんだろう。聞こえてくるのは人々の叫び声、モンスターどものうめき、銃声。絶望的なまでに次々に、人の手によって、モンスターの手によって、或いはフリーマン博士、あなたの手によって、その音々は次々に消えていく。そして残るのはハザードスーツの音声案内のみ。なんて静かなんだろう。この世界は。
2004/11/18
 二日分更新。


◆今日のHalf-Life
 途中まで進めていたHL2はひとまず置いておいて、HL:Sourceを始める。が、さすがにこいつには日本語字幕はついていなかった。まあ、そんなもんか。テクスチャやモデル自体は、今となっては古くさいが、ゲーム内容は結構面白い。当然、何を言っているのかほとんど解らないので、何をしなければならないのか悩むこともあるが、手当たり次第歩いていれば何とかなるような難易度だ。もちろん、それは簡単だ、という意味ではなくて、適当にスイッチらしき物を押したり、ハンドルを回したり、延々と色々な試行錯誤をした上で進めなくはない、という意味ではあるが。つか、酸素と燃料のスイッチがある部屋に行く途中、プロペラを回した後、なんてのはヒントなさすぎだ。

 そんなこんなでゲームを進めていたのだが、その途中、敵キャラとして人間が出てくるのだが、こいつらがもう、動きといい、武器の使い方といい、良くできていて、何となくCounter-Strikeって面白そうだな、と思った。

 つか、雰囲気から「遊星からの物体X」を連想する、ってのは、つまり、(The Thingの方が)影響受けているってことなんかねぇ。
2004/11/17
◆今日の散財
Half-Life 2 COLLECTORS EDITION[PCゲーム]
 隣の席の人と、仕事帰りに秋葉原、OVERTOPで平行輸入版のHL2CEを購入する。購入後、例によってマニュアルを見ながら悦にいる、という流れだったのだが、残念ながら目的の店が休みだったのでそのまま解散。帰宅する。

 帰宅後、早速インストール(約30分)、起動するも、「steamアカウント作成」「unlock情報ダウンロード」という作業に1時間ほどかかってしまい、しょうがないのでその待ち時間の間に別のゲームをして過ごす。所詮はISDNか。

 その後、HL2が起動することを確認できたものの、日本語字幕が出ないので一旦終了、あれこれ悩んで、steamの言語設定を変更すれば良いことに気がつく。言語設定を「Japanese」に変更し、HL2を起動すると、メニュー表示が日本語になった。更に、forGamer.netの情報どおりに、オーディオ設定で字幕表示を選択する。

 そしてやっとの事でHL2を始める。

 G-MANの呼びかけに答えるようにフリーマンは電車の中に降り立つ。その世界は、見た目もさることながら、むしろ人間達の自然な振る舞いの方に最初は驚く。近づくと電磁警棒を抜いて威圧し、それでも近寄ると突き飛ばしてくる警備員達、嘆く住民、突入を受ける隠れ家、表情豊かに話している研究員。それらは、リアル、というよりは、ナチュラルだ。とても自然に感じる。さらに、いくらでも動かせる数々のオブジェクトや銃弾で破壊される壁等々、何もかもが自然で、普通だ。それを構築するために、一体どれだけのリソースがつぎ込まれているのだろうか?

 そんな感じでしばらくプレイしていたのだが、オートセーブの時にすこしもたつくぐらいで、動き自体は良好、DOOM3や、VideoオプションをHighにしたPainKillerに比べれば、全く問題なく、ゲームとして遊べる速度で動作している。相性問題から、グラフィックボードをRADEON9000に戻しており、その点は少し不安だったが、何とかなったようだ。……いや、もちろん、その分、端折られている(映像的)演出もある訳だが。
2004/11/16
 仕事を終え、新宿ヨドバシで平積みになっているHalf-Life 2 日本語版パッケージを眺めたりしつつ帰宅。洗濯機のスイッチを入れ、ゲームをしながら暇つぶし、小一時間ほどしてから、洗濯機から終了のアラームが聞こえてきたので、さあ干すかーと、ドアを開けると、そこは一面水浸しだった。

 ちなみに、ウチの洗濯機は室内、玄関脇、冷蔵庫の横に設置されている。つまり……玄関が水浸しだ。

 かなり面食らうも、気を取り直して洗濯機の方を見ると、排水ホースが、これ以上ないくらい配水管から外れていた。段差があるため、部屋の方に流れ込んでこなかったのが不幸中の幸いか。何とも情けない気分になりながら、玄関で、濁った水の上に浮いている靴を拾い上げ、玄関を開けて、貯まっていた水を外に流し出す。

 その後、1時間かけて玄関の掃除。冷蔵庫まで動かして、床を雑巾で拭く。つか、玄関に置いていた古PC-98、壊れたかも……。
2004/11/15
 四日分更新。


 やっぱり今日も飲んだくれ。週の頭から酒だ。
 で、時期と言うことで今回はフグ。ゆびき、てっさ、唐揚げ、鍋、と普通のコースだったんだが、ぶつぎり、というちょっと見ないようなものも出てきた。何のことはない、名前通り、フグのぶつ切り(生)なんだが、これが結構おいしい。てっさよりは、こっちの方が好みだ。
 そんなこんなで、ひれ酒をチビチビとやりながらフグコースをおいしく頂き、かなり暖まる。やっぱ、鍋の季節だねぇ。


◆メモ
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 If-Modified-Since
2004/11/14
 名古屋在住の友人が所用で東京に出てくる、ということで数年ぶりに会うことに。待ち合わせ場所は何の因果か秋葉原。東京駅に近い分、(帰りの)都合が良い、という理由だ。

 せっかくなので30分ほど早く行き、マザーボードでも見て回るか~、と歩き出したのだが、何故か、すぐ若い男に「スミマセン、MXTVのゼペックオンラインという番組なんですが、インタビューお願いしてもよろしいでしょうか?」、等と丁寧な声をかけられ、面食らう。たまたま、そのゼペックオンラインという番組を僕は知っていたが(見たことはない)、インタビュー自体はやんわりと断った。まず間違ってもテレビには出たくないし、それに見た目30台、ボサボサのロン毛でメガネな男に対して、秋葉原で行うインタビューなどロクな内容ではない、としか想像できない。……被害妄想? その通りだ。

 その後、友人と駅前で待ち合わせ。久しぶりに会った、最初の一声は当然のように「天野(仮)君、髪のばしすぎ」 ごもっともです。
2004/11/13
 日中は睡眠、日没後に映画消費。


◆今日の映画
・シュレック
 ご飯を食べながら見ていたのだが、冒頭部はどう見ても食事中には見ちゃイカンような内容だ。ちと、泥まみれすぎる。
 それさえすぎれば後は、普通に見ていられる内容。オールCGな世界なんてのは、ゲーマーとしては見慣れた世界で、違和感などはほとんど感じない。強いて言えば、人間が軽く、細すぎる、と言った程度、デフォルメの範疇だ。

 話の内容もそつなくまとまっているし、しゃべるロバ役の山寺宏一さんは当然のように安定した楽しい演技、ヒロインのお姫様役の藤原紀香さんも、思っていたよりは違和感なく、声優として十分通用するのではないかと感じた。また、主人公役の浜田雅功さんも、微妙ではあったが悪くはなかったんじゃないだろうか? 大阪弁、というのもシュレックのキャラに対して、そこそこはまっているようにも思える。

 しかし、「ハウルの動く城」や、NHKでやっている「ポワロとマープル」等々、俳優が声優を、という昔の流れが再び出てきているが、この流れ、一体どうなるのだろう? 日常的にアニメを見ている身としては、女性声優は新しい人が次々に出てくるが、男性声優はほとんど出てこない、という印象なのだが……。いや、声優養成学校の、男女比の(噂)話などを聞くと、それもそうかとも思うが。


・スターリングラード
 冒頭、次々と死んでいく赤軍兵士達に、どうしようもない悲惨さを感じる。銃は二人で一丁、進めば独軍に撃たれ、戻れば赤軍に撃たれる。「戦わない卑怯者は死ね!」は、強烈なセリフだ。

 やがて主人公が狙撃手として生き残り、成長し、祭り上げられ、何とかして生き延びていく様は結構面白い。彼の成功物語。中央に呼ばれ、スターリンの肖像画の前で褒め称えられる主人公の、けれどのその後で、用意された料理を懸命にカバンに詰め込む兵士が可笑しく、そして悲しい。

 そして、やってきた独軍の熟練狙撃手との対決は、緊張感と言うよりは、懸命に生き延びようとする足掻きの方が強調され、どことなく悲壮感が漂っている。やがて、吊されてしまう彼のシルエットは悲惨に満ちているが、それでもなお、静かな雰囲気しか、その中には存在しない。狙撃手というのは、特に静かで孤独な存在なのだろう。そう、感じる。
2004/11/12
 ファイルサーバの更新対象としてVGAとGigabit EtherがオンボードなSocket478マザーボードを探してみたのだが、どうもIntel様のD865GLCLKくらいしか選択肢がないようで、割と途方に暮れる。選択肢があるだけマシかも知れないが、GbEなNICをPCIにぶら下げても微妙で、だからこそオンボードなものを探したのだが……ふ~む。いや、CSAがいかほどのモンかは全然知らないが。

 かといってLGA775だとPrescottしか選択肢がない、という時点で却下だし、SocketAだと、GbEオンボードな板自体が見つからない、という、中々どうしようもない状態だ。Socket479M、というのも悪くはないが、まだまだ改善の余地がありそうな、フル機能を引き出せていないマザーボード機能や、その入手性の悪さが腰を引かせている。せめて、もうちょっと早くからSocket479M市場が盛り上がっていれば、そっちに行ったかも知れなかったのだが。


◆今日の散財
アジャイルと規律[技術書]
2004/11/11
 とある人から『ダブル削除って知ってる?』と聞かれた。当然、何のことだか全然解らない。なので、聞き返してみると、どうやらWindowsの操作で、ゴミ箱のファイルを削除する、つまり、「ゴミ箱を空にする」という操作をそう言うらしい。

 確かに、

 1)ファイルを削除→ゴミ箱に移動
 2)ゴミ箱を空に→ファイル消滅

 なので"ダブル削除"という表現も解らなくはない。ユニークな表現だと思うし、語感も悪くない。二回削除する、というのをうまく言い表していると思う。なんてか、むしろ面白かったりもする。単純だけれど説明されないと意味がわからない、なんてあたりは、『秘密の暗号』的で、好奇心と所属感を煽ってくれる。

 ちなみにこの言葉、その人の知り合い、主婦の方からでた言葉らしいのだが……。まぁ、確かに野郎には、なかなか出来ない発想だよな。
2004/11/10
 休憩がてら、コンビニでおやつを買っていると、「どうもすみませんでした」と声が聞こえてきた。どうやら店内に設置されているコピー機が故障していたらしい。大変だなぁ~と思いつつ、買い物を済ませて店を出ようとすると、再び声が聞こえてきた。「すみませ~ん、故障中の看板娘お願いしま~す」…………は?

 それは一体何? 何なの? つか、『"故障中の看板"娘』なんですか? それとも『"故障中の"看板娘』なんですか? デスカーッッ!!!

 ってな具合に吹き出しそうになりつつも、頭いっぱいに妄想を浮かべながら職場に戻る。なかなか侮れねぇデス、コンビニの人(中年女性)。


Firefox 1.0 Release
 メジャーリリース、ということでFirefoxに移行。ブックマークの分類フォルダの中身を一気に開けるのは便利。ただし、Mozillaにあった、タブを開くボタン(タブを閉じるボタンの反対側にある)が、無くなっているのはちょっと面倒。
2004/11/09
 職場で、話題の「電車男」を(Webで)読んだ、という人がいて、どんな話なの? と聞いてみたところ、すごくいい話。感動した。元気が出てきた。誰かを応援したくなった。絶対読んだ方が良い。等々、かなりの盛況っぷり。なるほど。じゃ、内容は? と聞くとなんだか説明しづらそうに、導入部あたりまで話した後、「どうせ天野っち(仮名)には理解できねぇよ」と一刀両断されてしまった。

 絶対読んだ方がいいと進められたその口から、直後、読んでも君じゃ理解できないよ、と拒絶される。一体、なんなんだ?


Intelが盛んにDTCP-IPをアピールすることの、“なぜ?”
 DTCP/IPについて、解りやすく解説されている。この解説を読む限り、確かに日本において、コピーワンス問題の突破口になり得るかもしれない一つの方法であることは間違いない。家庭内(LAN)限定だとしても、機器同士でやりとりが出来るってのは、間違いなく利便性が上がるからだ。コピーは作れないが(LAN上の)好きな場所に保存しておける、というのであれば、もうそれで良いような気がしてきた。事実、今の僕の録画番組の扱いは、その通りなのだから。

 ただ、仲間内による取り忘れた録画番組のやりとり、なんてのはどんどん無くなっていきそうだ。ご家庭の機械類はどんどん密接に繋がっていくのに、人同士のつながりは薄くなっていく、ってのは、なんだか皮肉な感じだねぇ……。


◆メモ
14/18dBA静音仕様PC用電源
2004/11/08
 仕事中、頭の中に思い浮かぶのは「それってボクの仕事なの?」と、「言われたことだけやって仕事をした気になっているクズが貴様らだ」という二つの言葉。結局、(比較して)優秀なヤツを長時間使った方が、仕事は短時間で片づき、且つ、管理コストも安くつくのは真理で、「評価されないから仕事をしない」なんて言うのは、(多くの場合)単に会社への甘えでしかなくて、仕事に興味を持ち、積極的にこなしてくれる人が必要なのに、目の前の現実は「仕事は労働、言われたことをやれば良いんでしょ?」という人ばかりだ。

 僕らは工業製品を作り出すロボットか? 製品をぶれなく作ることが目的の作業機械であるべきなのか?


◆必殺からくり人
 雑感の続き。第7話~第13話分。未放送話は第12話ではなく、第11話でした。


 ・第7話「佐渡からお中元をどうぞ」
 佐渡から運ばれてくる金塊を盗んでしまう、という話。そして、その方法が穴を掘って蔵に忍び込む、というのだからなんだか笑ってしまう。

 前半、延々と穴を掘りながら、佐渡での悲惨な労働状況が語られる。次々に死んでいく仲間達、不安になって大声を出していた、という穴の中での出来事、新入りは心細いから何度も大声を上げる、等々その状況は悲惨につきる。しかも、佐渡送りにされるのは、数年に一度の「大掃除」の時に、軽罪にも関わらず佐渡送りにされる男達。労働力確保の為の無慈悲なやり口なのだ。

 その佐渡からの金を盗み出す、というのが今回の仕事。もちろんその警備は厳重で、正面突破は出来ないので穴を掘って、というのが今回の方法だ。

 けれど穴掘りの途中、大きな岩に当たってしまい、回り道をすれば丸一日遅れてしまう、そうなれば間に合わない、ということになり、天平の花火によって岩を爆破する事になったのだが、いざ爆破してみると岩は崩れず、しかもその音の大きさにすぐ真横の、蔵のある本陣から凄い勢いで侍達が飛び出してきて「浅間が火を噴いたか!?」などと叫ぶ始末。どうしようも無くなってしまう。

 そんな窮地に天の助け、雨雲が空を覆うと、あっという間に雷雨となり、その雷にあわせて爆破することに。そうして気づかれることなく穴は完成し、見事金塊を手にすることになる。

 そんな風に動きの小さい穴掘りとうってかわって、終盤はその金塊を運ぶシーンのダイナミックさが目立つ。江戸まで一気に駆け抜けていく「お氷様」にくっついて、関所を一気に駆け抜けるのだ。その事をとがめる「お氷様」運搬役人にも悪びれることなく、賄賂を渡してニヤニヤしている時次郎が痛快だ。とはいえ、金を盗まれた一行がどうなったのかは描かれておらず、気になるところだ。


・第8話「私ハ待ッテル一報ドウゾ」
 冒頭、行方知れずになった息子が10年ぶりに帰ってきた、と喜ぶ越後屋一家。けれど仇吉姉さんに三味線を習っているおせんちゃんは、帰ってきたという息子への違和感がどうしてもぬぐえない。もちろん、おせんちゃんも行方不明となっていた幼なじみが帰ってきた、ということで喜んではいるのだが、本当にそれが幼なじみの彦市さんなのか、疑問なのだ。そのことをとんぼにもらすおせん。

 しかし、その翌日、おせんは水死体として見つかり、おせんと仲の良かったとんぼは、彦市が何か知っているのではないかと思い詰め、本人に「あなたは本当に彦ちゃんなの?」と詰め寄ってしまう。しかして、その答えを返してきたのは越後屋の女将。つまり彦市の母親だ。あの子は私の息子です、と言い切る女将に、仇吉姉さんは訪ねてみる。「もし、仮にあなたの息子じゃなかったら、どうするんですか?」 女将は表情を揺らすが、それでも私たちの息子です。新しく授かった息子です、と言い切る。

 しかし、その後、越後屋の主人、女将共々殺されてしまい、それは彦市の偽物を使った店の乗っ取り行為であったことが解る。その重圧に耐えきれない偽彦市は何度も逃げだそうとするが、そのたびに乗っ取りをたくらむ大人達に連れ戻され、どうしようもない。やがてからくり人達が動き出し、彼らは殺されてしまうのだが、その中の、赤ん坊を背負った女を、橋の上で藤兵ヱが刺殺した瞬間、その場に居合わせた偽彦市が「おっかあ!」と叫びを上げる。驚いた藤兵ヱは震える声で「あんたのおっかさんなのかい?」と聞くが、偽彦市は答えない。

 偽彦市は母親の背中から赤ん坊を抱き上げると、その場を離れようとする。そんな偽彦市に藤兵ヱは名乗り、困ったことがあったら頼ってこい、と声をかけるが母親を殺したヤツの世話になんかなるか!と偽彦市は走り去ってしまう。

 因果な話だ。結局また、誰一人、報われない。


・第9話「食えなければ江戸へどうぞ」
 どんどん人口の増えていく江戸の町。人が増えれば活気が出るが、けれど反面、治安は悪くなる。それでも江戸に人が集まるのは田舎で百姓業をやっていても食えないからだ。日照り、大水と、自然災害が毎年のように襲いかかり、さんさんたる有様らしい。

 治安悪化に手を焼いたお上は「人返し政策」を打ち出し、江戸にやってきた人々を強制的に返すことにした。そんな中、人返しにあった一人の男が、同じ村に住んでいる幼なじみの女が帰ってこない、とからくり人達のところにやってきた。幼なじみの女もまた、人返しにあったのだ。

 人返しにあった者が、また江戸に戻っていることが解った場合、死罪にもなるという危険を冒してまで男が江戸に戻ってきた理由は、女への気持ちであった。しかし、女が見つかったのは女郎屋。男はその理由を問いただすが女は答えず、やがてやってきた用心棒達に叩き返されてしまう。

 やがて、からくり人達の調べによって、人返しによって返される女達をだまし、女郎屋に売り飛ばす悪党が居ることが解るのだが、ヤツらが始末されるまで、男は女の元に何度も通い、一緒に帰ろう、と何度も説得を試みる。けれど、結局、帰っても食えない、飢えるくらいならここで女郎として生きていた方がマシだ、と男を拒絶する。

 結局、最後に彼らは田舎に帰っていくのだが、果たして生活できているのだろうか?


・第10話「お上から賞金をどうぞ」
 隠れキリシタンを捕まえた者には20両の賞金を出す、という話から細工職人、岡っ引き、絵師、の三人が証拠をでっち上げて無関係な親子をダシに賞金を頂こう、としてからくり人に始末される話。

 この話の冒頭、へろ松が白玉の屋台をやっているのだが、これ以外にもそば、そうめん、金魚、と色々な屋台を引いている。しかも、そのどれもが、まるで客がついていなさそうなあたり、へろ松には商才はなさそうだ。

 そして結局、誰も賞金を得ることのないまま、話は終わる。


・第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」
 しばらく出番の無かった時次郎の話。第8話、第10話では全く出番が無く、第9話でも、ちょっとしか出ていなかった時次郎だが、この第12話では主人公となっている。

 朝、とんぼが食事の支度をしていると、窓に手紙が挟まれる。時次郎からの手紙だ。その内容は、皆様とは今後一切関わりなし、なお、13日の夜と、15日の昼には、人目のつくところに居ますよう、という内容だった。あつまったからくり人の面々は時次郎がなにかでかいことをやろうとしているのでは、と話し合うが、それがなんなのかは誰一人解らない。天平が「水くせえよ……」と寂しげに呟く。けれども、兎も角、時さんを探そう、とからくり人たちは動き出す。が、13日は明日、もう残された時間は無いに等しかった。

 みんなの調べで、時次郎が天平のところから火薬を持っていったこと、職人に組み立て式の銃を作らせたこと、その銃に遠めがねをつけ、スナイプ出来る工夫をしたこと、なじみの女郎に見受け金を渡していたこと、その女郎のすがたは、時次郎の許嫁そっくりであった、等々が解るが、結局、時次郎の姿は見つからず、13日の夜を迎えてしまう。仕方なしに、時次郎の指示通り、人目につくところで夜を過ごすからくり人達。

 このときの、へろ松と天平のコンビが、面白い。飲み屋のテーブルの上で、へろ松が酔っぱらいに囲まれてストリップまがいの事をやっているのだ。そんなアホ騒ぎに目も向けず、渋い顔をして淡々と酒をあおる天平の姿が痛々しい。

 さらに、からくり人達の隠れ家、花乃屋では、時次郎のなじみな女郎が不安な気持ちから、「南妙法蓮華経」と何度も唱え初め、驚いて声をかけたとんぼも、そんな姿を見て、一緒になってお題目を唱え始める、というシーンがあるのだが、「南妙法蓮華経」をお題目、第3話の「南無阿弥陀仏」というのを念仏、という風に、時代考証、というよりは宗旨による言い換えをきっちりこなしているところが面白い。

 やがて13日の夜が明け、実際に殺しが行われたことがからくり人達の耳に入ってくる。殺されたのは南町奉行所の同心で、蘭学者の弾圧に一枚かんでいた男であることが藤兵ヱの調べにより解る。その、蘭学者、という言葉に反応する女郎。昔、盲腸(?)をやられたときに、時次郎に蘭学者の医者に連れて行ってもらい、助けてもらったことがあるのだ。

 そのことから、仇吉達は時次郎のねらいが、鳥居耀蔵達、蘭学者弾圧を行った幕府役人達であると結論づけるが、時は既に15日。塔の上に潜んだ時次郎は鳩と戯れながら只一人、ヤツらがやってくるのを待ちかまえていた。

 そして次々にやってくる幕府高官達。時次郎は銃を手にすると、歩いてくる鳥居にねらいを定め、遠めがねの十字の印が鳥居の頭をとらえた瞬間、その引き金を引く。

 が、その弾を受けたのは鳥居の前に飛び出してきた鳩。時次郎は素早く次の弾を込め、再び鳥居に向かって引き金を引くも、鳥居の周りを囲ってしまった警備の者達に阻まれ、鳥居には当たらない。そして、時次郎が三発目を用意しようと弾をつかんだとき、鳥居は見えない場所まで移動してしまった。もう時次郎にはなすすべがない。つまんでいた弾を放り投げると、放心したように座り込んでしまう。

 時次郎は天平のところから持ってきた火薬を取り出すと、まずは自分の周りに、やがて自分自身にその火薬をまき始める。腕に、髪に、顔に。火薬で真っ黒に染まった顔に、時次郎は紙巻きタバコを一吸い、それを目の前の火薬に投げ込んでしまう。巻き起こる大爆発。

 その音を聞いた、仇吉、藤兵ヱ、天平、とんぼ、へろ松。彼らの顔は暗く、重い。


・第13話「終わりに殺陣をどうぞ」
 冒頭、仇吉姉さんは、第1話で元締めを殺した張本人、同じ裏稼業を生業としている曇り一家の元締め、曇りから時次郎の事を聞かれる。時次郎の姿が見えないが、一体どういうことだ、と。曇りは、幕府高官達を狙った狙撃は時次郎だとにらんでいたのだ。そのことをネタに、けじめをつけるか、或いは、手を組むか、と仇吉に迫る曇り。仇吉は、幕府高官ともつながり、金にも汚い曇りのやり方に屈することなく、きっぱりと決別を言い放つ。となると、残るのはけじめ。曇りは仇吉達を殺そうと動き出す。

 最初に狙われたのは藤兵ヱ。いつものように船で仇吉姉さんを迎えに行く途中、次々に襲いかかってくる曇りの手下達に、最初は何とかしのいでいくが、最後は短筒で撃たれやられてしまう。それでも、何とか船を仇吉姉さんの元に送り届ける藤兵ヱ。しかし、彼はその場で息絶えてしまう。

 次に狙われたのはとんぼ。花乃屋で一人まつとんぼの元に、天平さんから頼まれた、一緒に来てくれ、という男がやってくる。とんぼは機転を利かせ、天平ちゃんは今、ここにいます、と答えると、男の気配は消え、しかし、今度は屋根から物音が聞こえ始めた。

 その恐ろしさに震えるとんぼだが、何とか最初の一人を返り討ちにし、外に出ようと玄関に走る。そこで追いつめられ、あわや、という所に仇吉が帰宅、曇りの刺客を倒してしまう。そしてまた、天平とへろ松も曇りの刺客に襲われていた。

 夜中、急に騒ぎ出したへろ松の声に起こされた天平は、小屋の周りに怪しい気配があるのを察する。いち早くへろ松を小屋の外に逃がすと天平は刺客達を返り討ちにするが、その内の一人が投げ込んだ火によって小屋の花火に引火、小屋は大爆発してしまう。それを見て天平の名を叫ぶへろ松。すると、小屋の残骸の中から天平がはい出して来るではないか。

 しかし、全身にやけどをおい、傷だらけになっていた天平の目は、見えなくなっていた。

 へろ松に支えられながらも、曇りの屋敷にたどり着く天平。天平はへろ松をそこで追い返すと、花火を手に曇りの屋敷に単身乗り込む。花火を両手に暴れる天平に、曇りの手下達はなかなか近寄ることが出来ない。見えない目のまま、曇りを求めてさまよう天平。やがてその花火に火がともされ、天平は曇りの手下達と共に爆死してしまう。

 その爆発音を聞いた仇吉。曇りの屋敷に乗り込むと、手下共をあっという間に倒していき、そして、再び曇りと相まみえる。にらみ合う二人。吹き抜ける風を合図に曇りの短筒が火を噴き、仇吉の三味線バチが曇りへと飛ぶ。倒れる曇り。倒れる仇吉。吹き抜ける風が、紙を舞い散らせる。

 立った二人、残ったとんぼとへろ松は小舟の上、静かに川を下っていく。からくり人は、もうどこにも居ない。



 (見る分には)一気に見終わった「必殺からくり人」だが、この雑感を書いている途中、ボクの頭に思い浮かんだのは「女犯坊」だった。話のネタとして、偽坊主が貧困のドン底にいる農民達を食い物にしているところ、ホモネタ、と、たった二点だが、共通項が無い訳でもない。あとはどちらも江戸時代で、悪人(?)を殺していく、というあたりも共通項か。いや、そういう風に比べるのもどうかと思うが。


Ethernet経由デジタル録画に対応TV
 LAN上のHDDに番組録画が出来る、というのはちょっと面白い。これで、容量の面ではいくらでも(ユーザの手で)増設が出来るメドが立ったわけだ。D-VHSテープというのもあるけれど、一度HDD録画の便利さを知ると、なかなかテープメディアには戻れない。あとは、DTCP/IP対応機器が増えると、もうちょっと便利になるのだろうか。

 とはいえ、相変わらずPCだけで完結する様な機器は、全く影も形も有りはしない。矢張り、テレビを買わなければダメ、なんかなぁ……。
2004/11/07
 三日分更新。


 ほとんど寝て過ごす。まだ風邪は治らない。


双恋体験版[電撃G'sマガジン12月号付録]
 欠片も期待していなかった訳ですが、その……おもしろかった、デス。
 で、体験版をやって解ったのは、

 ・『激スウィートな双子ちゃんワールド』というコピーに恥じないくらい、本当に甘ったるくて双子な世界
 ・双子は、システム的にセットで(バランス良く)同時ブン回し前提

 という、字面にしてみると、どうしようもないくらいダメな感じが漂ってくる内容なのだが、しかし、実際、体験してみると『あぁ、これでも良いかな』という気持ちになってくる、という、どうにも凄い内容だ。つか、あまりに激スウィートな方向で統一、完結しているため、それもありかな、という気持ちになってくるのだ。あまりにファンタジーすぎて。

 そもそも、冒頭から、これといって特徴のない主人公の男の子が、次々に出てくる双子ちゃん達に、声をかけられまくり、ほほをそめられまくり、恋をささやかれまくり、な展開で、且つ、ほぼ全員が「好き好き~ッ!」ってな台詞回し。これはもう、ファンタジーだから、こういうものだから、と受け入れなければ、どうにもこうにも先にすすみようがない。いや、まぁ、たしかに世界観は妙なほどに統一されてはいるが、こういうものを「古典的ラブコメ」というのかどうか、僕には判断がつかない。

 つか、おじさん的には「双子同士の(つまり、毎日顔を合わせる、しかも同じ顔をした『肉親』同士の)確執」とか、「悪魔的人格の持ち主な双子に翻弄される主人公とその周辺」とか、そう言うのも期待してたンですが……?
2004/11/06
◆必殺からくり人
 第1話~第13話。ただし、テレビ東京放送分なので、一話(第12話第11話 2004/11/08修正)抜けている。

・第1話「鼠小僧に死化粧をどうぞ」
 冒頭、にぎわう現在の町並み、というシーンから始まって面食らう。これ、時代劇じゃないのか? と思っていると、その町中を緒方拳が走り回り、しかもインタビューを受けている、という流れに、益々「変だ」という思いが強まる。けれど、緒方拳のセリフが一気に話を元に戻す。「鼠小僧がここを通るって聞いたんだけど」そして、すぐに鼠小僧の、市中引き回しシーンが始まる。けれど、インタビュアーのセリフもそのままだ。

 その後、やっと時代劇風の風景になる。小舟の上に緒方拳、名を夢屋時次郎、職業は名前の通り「夢屋」。枕を売り、眠りを売る、という商売だ。当時の江戸では不眠症を訴える人が多かったらしい、とのナレーションが入り、このような商売が成り立っていることを説明する。世界有数の都市と言われた江戸に不眠症、というのは現在にも通じる物があってなかなか面白い。

 その時次郎が、ひょんなことから鼠小僧と知り合い、鼠小僧を巡る陰謀に関わっていくのだが、その陰謀自体もさることながら、第1話から、からくり人業者(?)同士の確執があったり、主人公側のからくり人達の元締めが殺されたりと、裏稼業界自体も血なまぐさい事になっている。また、鼠小僧の方も最後にはあっさり刺殺されてしまい、また、その鼠小僧の遺産とも言うべき覚え書きも、鼠小僧の飼っていた鼠にボロボロにされてしまい、それを当てにしていたからくり人達は骨折り損のくたびれもうけ、初っ端から濃いドラマが展開されている。


・第2話「津軽じょんがらに涙をどうぞ」
 今度もまた、冒頭は現在の映像。殺されてしまった元締めの後を次いだ仇吉役の、山田五十鈴さんの口から津軽三味線について語られる。その語りの間に移される映像が、恐ろしい姿をした悲哀の女達の絵。

 それを受けて、物語の冒頭、仇吉の三味線に若い娘が演奏を合わせてくる、というシーンが入る。それに驚きながらも最後まで演奏仕切った仇吉は、その合わせ方に「まるで匕首をつきつけてくるようだ」と感想を漏らす。そして、その娘は直後、その三味線を聞いていた津軽藩の侍達にドスで斬りつけるのだが、軽くあしらわれた上に、川に落とされてしまう。

 やがて、からくり人達に助けられたその娘は、苦労して江戸に来たこと、母親の仇を捜していることを話し始める。その話に泣き出してしまうとんぼ、渋い顔をするからくり人達。そこに天平、時次郎の表稼業から入ってきた情報から、その娘の仇は大蔵屋であることがわかり、やがて、からくり人達の手助けをえて、娘は仇を取ることになるのだが……。

 この話の途中、金貸し大蔵屋の「千両運び」というシーンがある。文字通り、千両箱を運ぶシーンだ。そして、その千両箱を4人の凄腕用心棒が守っており、橋の上で、そこに襲いかかってくる6人の浪人を、その用心棒があっという間に倒してしまうシーンがあるのだが、このシーンの、走り寄ってくる浪人達の躍動感と、悠々と歩いている用心棒達の制動感の対比が面白い。


・第3話「賭けるなら女房をどうぞ」
 これまた冒頭は現在の競馬場。古今東西、博打で身を持ち崩した男達は数知れない、といった風のナレーションがかぶり、一人の太った男が、馬のように駆けていくシーンが映し出される。

 その男こそ、博打にはまり、挙げ句の果てに女房まで博打で失った男、魚屋伝次だ。やがて伝次はヤクザにそそのかされ、米相場で一儲けをたくらむ備前屋の企み、農民一揆の片棒を担がされることになる。

 その方法が、奇跡の力を持った生き仏の僧侶。苦しむ農民達を救えと、夢枕にたたれた仏様がおっしゃった、という理由だ。もちろん、それはウソなのだけれど、ヤクザと一緒に仕組んだ八百長や、時次郎曰くの「一度限りのびっくり箱」もあって、農民達は伝次の事を信じ切ってしまう。

 けれど、所詮は偽の奇跡。時次郎に諭され、伝次は揺れ動くが最後には、自分を信じ慕ってくれる農民達を救おうと、一人、その身を挺して駆けていく。

 女房を救いたい、というただそれだけだった伝次の気持ちが、最後にはみんなを救いたい、という風に変わっていく様は、人間味にあふれている。そして、それをダシに備前屋を脅す仇吉姉さんは、溜飲を下げてくれるが、しかしもの悲しい。


・第4話「息子には花嫁をどうぞ」
 地位も名誉も権力もある、由緒正しい旗本の跡取り息子がホモ侍だった、という話。けれど話はホモ侍の方ではなく、そのために跡継ぎが生まれない、という面を中心にして動いていく。

 冒頭、長屋住まいの夫婦の元から赤ん坊が盗まれる、という事件が起こる。その犯人はどう考えてもホモ侍の旗本家に逃げ込んでおり、その事を役所に訴え出るが、なんせ相手は旗本、相手にされないどころか、亭主の方は江戸払いとなってしまう。けれどあきらめきれない女房の方は方々手を尽くし、最後の望みとばかりにからくり人、仇吉姉さんの元にやってきたのだ。

 それもつかの間、その旗本家から葬式が出される。話を聞けば跡継ぎの赤ん坊が亡くなった、との事。半狂乱になってその葬列に駆け寄っていく母親だが、護衛侍に引きずられ、追い返されてしまう。

 やがて、それがホモ侍の母親の指示によって行われた誘拐であることが発覚する。そして、赤ん坊を殺したのは、旗本家の後妻であることも。夫からは見向きもされず、夫の母親からは子さえ産めば良い、とまるで人間扱いされない後妻は、あてがわれた赤ん坊につよいストレスを感じ、ノイローゼになっていたのだ。そして、その後妻も夫の母親の指示によって殺されてしまう。

 やがて、さらなる後妻を、とホモ侍とその母親は見合いをするが、そこにホモ侍の惚れた相手、夢三郎が現れる。けれど、夢三郎は天平に夢中で、その事に激しく嫉妬したホモ侍は、夢三郎を刺殺、そのことに絶望し、自らも自殺してしまう。

 劇中、夢三郎が「男の嫉妬はみっともない」と言う。確かにみっともないのだが、それ以上に子供に対する、旗本家と長屋住まい夫婦との温度差、切迫感に恐ろしさを感じる。誰一人として、報われない。


・第5話「粗大ゴミは闇夜にどうぞ」
 江戸のゴミ回収業者の利権争い。けれど、ゴミ回収業者同士の争いではなく、その利権に食い込もう、というヤクザが暗躍する、という話。

 花火師天平が住み着いている、大江戸ゴミ処理施設、百万坪。そこで天平、とんぼは埋められていた死体を発見する。最初は無視していた天平だが、やがて気になって死体を掘り返してみる事に。けれど、死体は身ぐるみを剥がされ、どこの誰かは解らない。けれど、唯一、左足に残っていた足袋からどうやら半丸の主人ではないか、ということが判明する。

 そのことを知らせに天平は半丸に向かうが、そこの女将からは主人は健在、と追い返されてしまう。親切で調べたのに、と嫌悪感をあらわにする天平だが、それ以上はどうしようもない。

 けれど、そのことに興味を持った仇吉姉さん、へろ松を半丸の人夫として潜り込ませ、様子を探る。とはいえ、アホのへろ松、子守を押しつけられ、半丸の息子達とのんびり釣りをすることに。

 そこにヤクザの手先がやってきてへろ松をだまし、息子を誘拐していくのだが……。

 「お上になにかあったら上州8000人のヤクザが動く」「金儲けの面白さにとりつかれるのは、なにも男だけじゃない」等々、印象深いセリフがいくつか。金と利権とゴミ問題。今でも頭の痛い問題だ。


・第6話「秘めごとは白い素肌にどうぞ」
 お上にたびたび弾圧されている彫り師の伊佐吉。その腕は、島帰りの時三郎の腕に彫り込まれた島送りの刺青を跡形もなく消してしまえるほどだ。けれど度重なるお上からの弾圧に、酔った勢いもあって伊佐吉はオランダに行きたい、などと言い出す。自分の彫り物を理解してくれる、やりたいことが出来る所に行きたい、と。

 そこに目をつけた長崎屋、日本地図を国外に持ち出したい(日本地図の国外持ち出しは当時、厳罰処分となっていた)オランダ人と組んで、女の肌に日本地図を彫り込んで欲しい、と伊佐吉に依頼する。日本に愛想をつかしている伊佐吉は当然、その依頼を受ける。やがてその彫り物は完成し、それを一世一代の大仕事、と誇る伊佐吉だったが、その身は口封じのために瀕死の傷を負っていた。

 弾圧される芸術家という図式が面白い。そのことを嘆き、国を出たい、と嘆くのもまた良い。そして殺されてしまうとはいえ、満足な仕事ができたと時次郎に誇らしく語るシーンは格好良く、けれど、もの悲しい。


 ちょっと息切れしてきたので、続きはまた後日。さらっと簡単にまとめようと思っていたけれど、結構、書くことあるよな。
2004/11/05
 ふと思いついて、Google様にお伺いをたててみると、結構出てきて何となく納得した気分になったり。KT400とRADEON、相性悪いんだ……。あきらめてGeForce買ったほうがマシかもしれん。


ドラマとはねじれだ[不定期日誌]
 これを読んで、2つのメンタル・モデル(理想像)のずれを認識し、それを埋めよう(あるいはもっと拡大しよう)という行為がコミュニケーションなのだ(※注)を、思い浮かべた。ゆがみ(問題)=メンタル・モデルのずれ、だ。

 価値観のずれ、つまりギャップをどうにかしよう、という行為がコミュニケーションであるなら、そこに関わっている人々が変わっていかなければ(埋めよう、或いは、拡大しよう、と行動をおこさなければ)それはコミュニケーションとは言い難い。だから、もっとも簡潔ですぐに終わるコミュニケーションは、相手の価値観を認める、或いは、認めない、という行為だ。これをお互いがやることによって、初めてコミュニケーションが成立する。

 それ以前、相手に感心がない、という状態は(※注にあるように)コミュニケーションではない。これは、双方どちらかが欠けてもダメな要素だ。お互いが、お互いの持つギャップに対して関心がなければ、そして、それをどうにかしようと思わなければ、それはコミュニケーションではない。

 だから、WHITE ALBUMの河島はるかシナリオはコミュニケーションの話ではない、と僕は思うのだけれど、それはまた別のお話。

 上記を、「ドラマとはねじれだ」に当てはめると、ねじれに関心があり、且つ、それを解消したい、或いは、拡大したいという欲求や行為そのもの(不定期日誌上ではねじれと直面し、どう反応するか)がドラマである、となる。

 そして、そのドラマのあり方が、ギャップの解消(或いは拡大)→価値観の融合、拡大、となるのが恋愛話、ギャップの解消→価値観の維持、となるのが(正義の)ヒーロー話、ギャップの認識→価値観の確認、となるのが感動話、等という風に分類できる。もちろん、これは僕なりの解釈であって、もっと別の解釈も当然あるし、実際は、もっと複雑に絡み合ったり、融合していたりするものだ。


 つか、ちまちまと書きつづっている割には、単に「ドラマとはねじれだ」に対して「そうだよな~」と納得した、ってだけの話。こんな風に「解釈のしかた」を定義して色々と分析してみる、というのは結構楽しい事だ。けれど、職業的には「仮説をたて、実験し、実証する」事が受け入れられていない世界なので、仕事上、楽しむ機会はほとんど無い。悲しいことに。

 あと、当たり前のことしか言ってない気もしないでもないけどというのはなんとなく解る感覚で、けれど、定義して自分の理解とする試み、というのは重要な事だとも思う。その対象をより深く理解できるし、また、その解釈を他人に伝えようとしたときに、そういった、ある程度つっこんだ理解をしていないと、説明するのは難しいからだ。

 そう言う点でも分析ネタは楽しい。違う解釈、違う分析方法と出会え、且つ、それが面白かったり、新鮮だったり、納得できたり、ショックを受けたりする、というのはエキサイティングな体験だ。

 などと思う反面、「考えるな、感じろ」みたいな言葉もある訳で、中々難しい。


※注:『モデリングの神さまが降りてくる瞬間[@IT]』中程、注釈:[注:壊れる=breakdown]参照。
2004/11/04
 三日分更新。


 今は亡き、Project-μ作品を、二つ。


ほとせなる呪ちとせなる詛、[PCゲーム/18禁]
 Project-μ、最初にして最後の音声付きゲーム。文字が画面中を飛び回る"いつもの"システムにμらしさを感じるが、相変わらずシナリオの方は微妙な出来だ。内容的には都市伝説、女子高生コンクリート殺人事件、そして連続焼死事件、その三つを織り交ぜながら物語が展開していくのだが、もう、兎も角ボリューム不足。そして、オチの弱さ。さらに、一度終わらせると、事件の全貌が解るため、コンプしようという気はほとんど起こらない。お手軽、といえばお手軽だが、楽しいか? と聞かれれば疑問だ。ジャケにもなっている幼なじみは良い感じなんだが……。


銀の蛇黒の月[PCゲーム/18禁]
 Project-μ、最後の製品。メニュー等選択時の効果音が耳障り、という点を除けば、演出的には面白い試みがいくつか見られる。さらに磨きのかかったテキスト演出、コマ割りの様なCG、フローチャート表示による分岐確認、途中開始。けれど、やっぱりボリューム不足だ。始まったと思ったら終わってしまう。つか、構成自体もかなり変だ。物語の最初のイベントが終わったな~と思ったら、次はもうクライマックス、そして即エンディング。なんかもう、どの辺に突っ込んでいいやら……。


◆今日の散財
リーンソフトウエア開発[技術書]
・DEATH NOTE 第4巻[マンガ]
 最高デス。
2004/11/03
 目が覚めると、鼻の奥に痛みを感じた。まぁ、単に乾燥しているだけだろう、と思い、大して気にしないまま秋葉原まで出かけていったのだが、帰宅してから、どうも鼻水が出すぎていることに今更ながら気がつき、それでも、やっぱり大して気にせずにゲームなどしつつ過ごしていて、ふと、思い当たった。

 風邪、ひいてないか?


Forest[PCゲーム/18禁]
 Liarsoft、第11番目の作品。腐り姫以来のLiar作品だ。オフィシャルサイトにも書かれているが、結末は一つで、けれどそれはいまいちだったりする。ただし、そこに行き着くまでの物語は、楽しげで、悲しげで、残酷で、面白い。ただ、結末だけが、失速している。おしいことに。

 まずはシステム。とはいっても、システムは普通の三行ADVだ。これといって特筆すべき項目はない。特筆すべきは、その演出だ。

 作中、聞こえてくる音声と、表示されるテキストが、全く別の物であることが多々ある。それは、主人公には聞こえないセリフ、とか、日本語以外の言葉、とか、ましてや、バグ、などではなく、『呼びかけと応答』だったりする。呼びかけが音声、応答がテキスト。つまり、聞こえてくる音声と、表示されるテキストは、別個のキャラクタが発するセリフなのだ。

 最初、その演出にはとまどう。音声とテキストが区切りなく表示されるからだ。音声が聞こえてからクリック待ち、ではなく、音声が聞こえ、それが終わる前にテキストが表示され、そこで初めてクリック待ち、となる。つまり、音声を聞き終え、テキストを読み終わるまでクリック(先送り)してはいけないのだ。多くのゲームでは、通常、これは二つに分離(二回クリック)されている事から、おそらく、ゲーム慣れしている人であればあるほど、最初はとまどうのではないだろうか。

 けれど、これも慣れてくると面白くなってくる。僕は音声も全部聞く派(テキスト表示された内容が解れば音声を飛ばす派、音声は聞かない派、というのもいる)だが、別に真剣に聞いているわけではなく、BGM的な効き方をしている場合が多い。たまに、演出上、或いは、声優の演技上、聞きたい、と思った部分だけ聞く体勢になる程度、基本的には聞き流している。

 しかし、それは、聞こえてくる音声がテキストとしても表示されているから、文章を読む方が圧倒的に早いから出来る事だ。このForestの様に、音声がテキストとして表示されない場合、ちゃんと聞き取らなければならなくなる。マジメに耳を傾けなければ物語が解らなくなってしまう。

 だから、最初はとまどってしまう。一人一人のセリフ(音声、文章に限らず)を、区切って聞けない、というのもあるが、視覚と聴覚、両方に注意していなければならないからだ。これは、ADVゲームとしては、あまりない神経の使い方だ。れど、慣れてくると面白くなってくる。分散しつつも、いつもより集中している分、ゲームへの埋没度が高くなっているからだ。とはいえ、声優陣の演技やBGMの質が低ければ、逆にうっと惜しいだけだっただろう。勿論、本作の質は高い。つか、北都南さんとか、一色ヒカルさんとか遭遇率が高い。時点で青山ゆかりさんってところか。全然関係ない話だが。

(ネタバレ反転)
 そしてシナリオ。舞台は新宿。期間は半年。登場キャラクタは5+1人、そしてけーこ様。

 冒頭、登場キャラクタの5人が一同に介するシーンから始まる。それは唐突に始まり、また、上記のような演出的な理由で取っつきにくい上に、冒頭部としては説明不足で、むしろ面食らうようなシーンだ。次々に呼ばれ、現れるキャラクタ達は、森と化した新宿、アルタでティーパーティを始めることになる。アリスの物語の、マッドティーパーティだ。

 そのパーティが『リドル』と呼ばれる森からの挑戦、5人にはそれぞれ『ギフト』と呼ばれる力が備わっていて、且つ、ギフトは交換可能、とだけ理由がなされ、そのティーパーティは終わってしまう。なにがなんだか、良く解らないままに。

 唖然としつつも、目の前に現れた葉、つまり選択肢を選ぶことを迫られる。最初、その葉の意味が解らず、説明書に目を通したくらいだ。その程度には唐突で、良く解らない。

 また、それらの葉には数字がついているのだが、やっぱり、その意味も解らないままに、兎も角、選択し、進めていくことになる。が、後から、その葉についている数字は、日付であることを理解する。だから、始まりは4月だ。

 その葉、一つ一つにお話が結びつけられている。緑の葉には語り手と聞き手のお話が、灰色の葉には現実のお話が、そして、赤い葉には『リドル』が。一度選んだ葉にはタイトルが付くが、シナリオの構成上、そのタイトルを目にすることは、ほとんど無い。

 葉の多くは緑の葉だ。語り手と聞き手の物語。二人の間に交わされたお話のお話。けれどそのお話は短く区切られている。しかしそれらは森の生い立ちに深く関わっているお話だ。一見、関係ないように見えるそのお話とリドルは、やがて深く結びついていく。

 リドルには出典がある。アリス、ナルニア、ウォーターシップダウン、宝島、ピーターパン、ガリバー旅行記、その他色々。けれど、リドル自体は命がけのゲームで、しかも、残酷だ。登場キャラクタの一人、黛はリドルに叩きのめされ、森に取り込まれてしまう。

 森で人間なのは5人と、アリスだけだ。リドルの姫。もう一人の聞き手。アリスは言う。「さあ、お話を聞かせて?」
 それ以外の人達は人間ではない。猫であったり、カラスであったり、借り暮らし、地下の人、なんてのもある。海賊、は微妙だが、きっと森から見れば人の範疇ではないのだろう。ただし、彼らも現実での姿を持っている。5人やアリスと同じように。彼らもまた、森で死ねば、現実でも死んでしまうのだ。

 そして、彼らは森に、リドルに翻弄されながら過ごしていく。いつ終わるともしれないリドル。いつまでもありつづける森。けれど、もちろん終わりは訪れる。あの、酷い終わりが。

 外の外を語る必要があったのだろうか? アマモリは砕け散る必要が、果たしてあったのだろうか? ラスト、老人灰流と少女アマモリが抱き合うシーンは感動的ではあるが、けれどまるで感情移入できない。あまりにとってつけたような結末すぎる。灰流の嫌いな予定調和、なんて地平にすらたどり着いていない。本当にとってつけたような、つながりの感じられない、終わりような何か、としか感じられない。そして、そうなった理由は、単に性急すぎたから、としか思えない。もっと丁寧に、アマモリと灰流の葛藤を描いても良かったんじゃないだろうか? 伽子という存在を。そして、アマモリが言うところの「また繰り返している」、の意味を。

 最初の取っつきにくさ、そしてあの終わり方さえ無ければ、中盤の盛り上がり方、演出、内容、共々、オススメと言っても言い位の出来なのだが……。


◆今日の散財
・Dead Or Alive Ultimate[Xboxゲーム]
 北米版公式サイトはあるけれど、日本版公式サイトは存在せず。その意味を考え、にわかに暗い気分に。とはいえ、日本でのXbox市場は、2004年後半になって、何となく勢いが出てきたようにも思える。勿論、それは前に比べて勢いが出てきた、ということであって、勢いがある、という意味ではないが。

 つか、レジに並んでいる最中、DOAU、DOAX、DOA3、Xbox Live スタータキット、そしてXbox本体を同時購入している人がいて、かすみちゃんブルーでないのは覚悟が足りてないけれど、あとはソウルキャリバー2を買えば完璧だね、などとボンクラな事を考えつつ、その横にいた、DOAUを五本買っている人に生暖かい視線を一瞬、向けたりしていた。世界は、複雑だ。
2004/11/02
ひぐらしのなく頃に[PCゲーム]
 噂のサウンドノベル。システム的にはこれ以上ないくらいオーソドックス(NScript)なのだが、選択肢がない、という代物なので、ひたすら読み進める事になる。また、その分量が相当であるため、一編を読み終えるのに6、7時間はかかってしまう。しかし、それは決してつまらない時間ではないし、疲労感も無い。あるのは興奮と満足感、そして『謎』だ。

 のってくると矢鱈に疾走感のある文章、微妙に入り込んでいる奇妙なヲタク描写、濃くも魅力的なキャラクタ達、そして、血なまぐささ。ユーザが介入する余地が無い以上、ゲームと言うよりは読み物だが、ジャンル的には問題ないだろう。そこにいるユーザ層は読み物を求めていて、ゲーム性を求めている訳ではないのだから。そして、僕もその一人だ。

 しかし、このお話、完結している訳ではない。「鬼殺し編(衝撃のオープニング)」「綿流し編(かなり怖い)」「祟殺し編(あまりに酷い)」「暇潰し編(重要項目)」と、四編あるのだが、その全てが謎かけの話、多くの謎を残しつつ終わっている。そして、それぞれの話は、同じ設定、似たような結末となっており、それらを組み合わせることによって、一つの解法が導き出される、という形になっているらしい。

 事件の謎を解く、という考察自体にはあまり興味がないので(つか、そもそも能力がないので)あまり考えない……むしろ、全然解らないのだが、それ以外の感想として、これら四編を組み合わせ、分岐させるための『選択肢』を付け加えることによって、イマドキのゲームになるのだな、と感じた。それは、オマケの解説編(謎解き編ではない)でも言われていた事だが、なるほど、たしかにこういうアプローチもアリだ。つか、この手の、一つの大きな事件の中での一つの流れ、というやり方は、それぞれが独立した流れの集まりと比べて、整合性を維持する手間がかかる分、構成力がないと面白くするのは難しいんじゃないかと思う。

 それにしても、こうして完結しないままに、次々に発表していく、という、まさに"連載"のような形態は、同人ソフトならではのアプローチではないだろうか。商業ベースだと、こう言うのは難しいと思う。だから、連載途中に出会えた、というのはちょっと嬉しい事かもしれない。今後の展開が楽しみだ。ただ、今までの発表ペースから考えて、完結するのはまだまだ先になりそうではあるが……。
2004/11/01
 今日もまた、酒を飲む。ここ二週間、連日のように飲んでいるが、別に痛飲している訳でもなく、飲み方そのものは実にささやかなもので、長くてもせいぜい2時間、高くてもせいぜい2,500円、ビールかホッピーを何杯か飲むだけだ。つか、そもそも始まるのが、平均22時過ぎなので、延々、飲んだくれてもいられない。気を抜くとすぐに終電が行ってしまう。

 そんなだから、平日は完全に、日付が変わる前には帰ってこれない。そして、もちろんそのまま寝る訳もなく、ネット巡回したり、ゲームしたりするのだが、これも気を抜くと朝までやってしまう。

 こうして書き出してみると、どうもしまりがない生活を送っているようだ。もうちょっと、切り替えを意識的にやらないとこのままズルズル行きそうだ。ちょっとは気持ちを入れないとなぁ……。